

毎年入荷する米の質、酵母、気候などによって酒質は大きく変わるため、
杜氏は各仕込の状況を把握して適切な処理を行なっています。
蒸米の出来具合による水麹の温度の調節。踊りの時点での活性具合の推測。
最高品温に至るまでのもろみの持っている力を活かすか押さえつけるかの判断。
B曲線と状貌と五感で品温調節と追水作業を判定し、醗酵の進度を調節する。
そして上槽の見極め。繊細な生き物であるもろみは常に手を掛け、いくつしみながら管理育成していく必要があります。
システムに登録した事績データはすべてデータベース化され、いつでも簡単に参照できます。
蒸米の具合などからパターンを選択し、もろみの動向から先駆けてパターン補正を掛けていくフィードフォワードは
再現性のあるもろみ醸造には一番有効な手法です。
実践は知識ベースとして自然に蓄積され、システムを通じて将来の酒造技術者に引き継がれていきます。
※もろみcomは現在、制御装置部も含め新規Versionを作成中です。
必要なデータは保持し、さらに安定し使いやすく…そんな管理を実現すべく
取組んでおります。
シンプル且つ機能的な管理を実現のために…
1)データ保持と運用安全性の強化
今まで『温調管理=FA』という認識のもと、ソフトウェアとハードウェアの
切り分けがハッキリとされておりました。そのため、いざ障害が発生すると
どの部分に起因しているかの判断が難しく、場合によってはその期間、制御
記録が残せないという構成も存在します。
新しい『もろみcom』の制御では、中間制御装置としてシーケンサーを用い
PC⇔シーケンサー間でトラブルがあった場合でも、最大24時間のデータ保持は
される仕組みをとっております。
今回、あえてシーケンサーを介すことにより、製造施設の改修・拡張により制御
機器のメーカー違いが混在した場合にも、柔軟に対応できるようになります。
(弊社採用SEQ⇒変換機提供メーカーのみ対応)
また、温度設定とトレンド記録だけでなく、制御した事績も記録がされるため
加熱冷却を同時に自動制御する場合でも、その適正度を見ることができます。
2)無駄を省いたトレンド管理
仕込情報全般に関する記録は、弊社『造りcom』で行い、温調管理と対応する
記録を『もろみcom』で行うシンプルな運用方法により、過去の仕込実績における
データを一元化して管理・参照が可能になります。
これにより、原料米から日程管理・仕込実績までを未来に継承できるシステムが
完成します。
(※データ一元化及び仕込みに関する管理には、『造りcom』が別途必要です)。
具体的な運用例として…酒母における2位置制御
一般に酒母の制御は、酒母の自己発生熱と外気による自然冷却のバランスの外
暖気樽を1日1回投入することで行っています。これにより、麹の活性を効果的にし
糖化と酵母の増殖をバランスよく行える環境を作り、優良酒母の育成が行えます。
これをもろみタンクと同じようにジャケットの通水制御で行うには冷水と温水の交互
通水を行います。一般的な加熱冷却制御動作が選択できる温度調節計では…
・加熱側は「逆動作」
・冷却側は「正動作」
にて、動作します。
下記の図が、その動作を表したモデルになります。

この加熱と冷却の2つの制御出力を1台で実現したものが加熱冷却型(2位置型)で、各社から様々な対応機種が出ています。
これらを用い、2位置制御を実現します。
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